患者さんとのコミュニケーションの目的

看護師にとって患者さんとのコミュニケーションは必要不可欠なものであり、単純に会話をスムーズに行うためだけに行われるものではありません。
患者さんとのコミュニケーションには明確な目的が存在しており、患者さんに対してどのような目的でコミュニケーションを取るのかを考えるのは、非常に重要な業務となっています。

例えば入院または通院が始まった初期段階でのコミュニケーションでは、患者さんの情報を収集することが主な目的であり、病気に関連したもの以外にも家族構成や生活歴などを把握するために会話が行われます。
それと同時に、患者さんが病気や入通院に対して抱えている不安を解消する目的でもコミュニケーションを図る必要があります。
不安解消とともに信頼関係を築くことで、病気に対する考えや症状をスムーズに伝えられるように援助しています。

入院や通院が長引けばそれだけ患者さんの中の不安も大きくなり、なかなか症状が改善しない場合はストレスから怒りの感情を見せる場合もあります。
このような場合に患者さんにストレス発散させるのではなく、その根源となっている不安を解消するためにコミュニケーションを取るのが看護師の役割です。
中にはコミュニケーションを拒否したり、他愛のない話ばかりを繰り返す患者さんも少なくありませんが、コミュニケーションを図ろうとする行為そのものにも「あなたを見捨てない」、「心配している」という意図を伝える意味が存在しているため、繰り返し対話を図ることで不安の解消につなげることも可能です。

このように、患者さんとのコミュニケーションの重要性を念頭に入れておけば、日々の業務をスムーズに行うことができるでしょう。